有力馬が次々離脱…宝塚の主役は誰だ!? 連覇狙うゴールドシップを指名

2014/06/17

2013宝塚記念
【写真】2013年宝塚記念 最終コーナーでジェンティルドンナ(左)、フェノーメノ(右)と競り合うゴールドシップ(中央)。

 4歳牡馬のツートップ・キズナ、エピファネイア。天皇賞馬・フェノーメノの離脱で当初よりもメンバーが手薄になった感も否めない今年の宝塚記念(6月29日、阪神競馬場2200m芝)。安田記念で3つ目のGI制覇を達成した世界のジャスタウェイも道悪の激走だったことから出走は見送られた。そうなると、以前から宝塚記念を目標とし、順調に調整が進められている馬が春のグランプリホースの最右翼となる。その筆頭は宝塚記念連覇を狙うゴールドシップだ。

 ゴールドシップは昨年の宝塚記念制覇後、2013年の秋シーズンは不振に喘ぎ、本来の強い彼の姿は影を潜めたが、今春は阪神大賞典で見事な復活勝利。先の天皇賞(春)こそ7着に敗れはしたが、昨年も天皇賞(春)で5着に敗れた後に宝塚記念を制している。
 今年も同じ様なローテーションで進み、今月4日に短期放牧から帰厩したばかりだが、調教でも元気一杯の動きを披露していた。それにゴールドシップにとって阪神コースは5戦4勝・2着1回と得意中の得意コース。唯一、阪神で敗れた一戦も2歳時のラジオNIKKEI杯で、3歳以降の4戦は全て2馬身以上の差を付けての圧勝劇が続いている。
 鞍上もダービーを制して乗りに乗っている横山典弘騎手との新コンビ。残り2週間弱の調整で万全な状態まで引き上げられれば不動の大本命となり得るだろう。

 ドバイシーマクラシック制覇後、国内初お披露目となるジェンティルドンナの走りにも期待が集まる。
 今季は京都記念でまさかの6着に敗れ、ピークを越えてしまったのではとの声も上がっていたが、前走のドバイシーマクラシックでは鞍上のムーア騎手の剛腕にも助けられて力強く勝利。まだまだ女王健在というところを見せつけた。ドバイから帰国後は放牧に出されて英気を養っていた。ドバイ後から早々と宝塚記念を目標にしていただけに、仕上がりに関しては問題なさそうだが、ジェンティルドンナ陣営にとって嫌なデータも少々……。
 ここ近年の宝塚記念ではレース間隔が約3カ月以上開いた馬の勝利がないのだ(3着まで)。あのシンボリクリスエスでさえ5着が精一杯。昨年はジェンティルドンナ自身も今回と同じローテーションで3着だった。そんなジンクスを払拭できるのかに注目したい。
 またジェンティルドンナの話題が上がると必ずと言ってもいいほど、ジョッキーが誰になるかということにも注目が集まる。今回は川田騎手が手綱を取ることになるが、2012年のオークスでもこのコンビで優勝している。川田自身も今春はハープスター、トゥザワールドに騎乗して、さらなる経験値を積んだこともあり、特に不安視する必要もなさそう。

 7度のGI挑戦で2着が4回と善戦マンのイメージが定着してしまったウインバリアシオンも注目の一頭。骨折により約1年5カ月の休養生活を経て復帰となった昨秋から前走の天皇賞(春)まで4戦して3着以下はなし。完全復活していると見て間違いはない。
 激しいレースだった天皇賞(春)2着後は放牧に出されて状態回復に努め、問題なしとされて出走が決定。悲願のGI取りに挑むこととなった。かつて善戦マンと呼ばれたメイショウドトウが宝塚記念で悲願のGI馬となったように、ウインバリアシオンもここで大仕事を成し遂げて頂点を極めてもらいたいところだ。

(text by kazuhiro kuramoto)

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